返礼品の代わりに現金が貰えるふるさと納税「キャッシュふる」レビュー。斬新な方法だけど高いリスクで早期に終了する予感

会社員でも可能な節税対策として人気のふるさと納税。自治体から届く返礼品を楽しみにしている人がほとんどだと思いますが、一部では「節税できればいい。返礼品はいらない。」という声もあるようです。

そういう人たちの要望に応えるべくリリースされたのが、「キャッシュふる」というふるさと納税サイト。ここを経由すると、返礼品の代わりに現金を受け取ることができるようです。

そこで今回は、この「キャッシュふる」について、サービスの概要、メリットやデメリット、実際の利用方法などについて説明していきたいと思います。

「キャッシュふる」の概要

「キャッシュふる」は、自治体への寄付で肉や魚といった返礼品の代わりに現金を受け取ることができることが特徴のふるさと納税サイトです。

通常のふるさと納税では、寄付金の3割を上限とした返礼品を受け取ることができますが、キャッシュふるの場合は寄付金の20%の現金を受け取ることができます。

家族で暮らしている人だとふるさと納税の返礼品がたくさん届いてもちゃんと消費できますが、一人暮らしだと持て余す可能性があるため、そういった人のニーズに応えるサービスだと言えるでしょう。

「キャッシュふる」のメリット・デメリット

キャッシュふるのメリットとデメリットについて説明していきます。

【メリット】リターンの価値が明確になる

ふるさと納税のメリットは、「節税になる」「返礼品がもらえる」の2つです。

返礼品については、寄付金の3割までのものと明確に決められていますが、受け取る側はそれが1割なのか3割の上限いっぱいのものなのかは分かりません。

基本的に、ふるさと納税は個人にデメリットのない制度になっていますが、返礼品が金額に対して少ないと損した気になるのは心情としてあると思います。

キャッシュふるの場合は「20%の現金」と明確に決まっています。確実にお得になる方を選びたい人にとってはメリットになると言えるでしょう。

【メリット】自治体や返礼品を探す手間が省ける

ふるさと納税の醍醐味でもありますが、気になる自治体や返礼品を探すのは楽しいという一方で、それなりに時間と手間がかかります。(何万円分かの納税を一気に行えば別ですが)

キャッシュふるだと、貰えるのは現金になるので、どの自治体・返礼品にするかを選ぶ必要がありません。自分の住んでいる自治体以外であれば、どこでも問題ありません。

そういう点では、メリットに感じる人も多いのではないでしょうか。

【デメリット】ビジネスとして成立しない可能性が高い

キャッシュふるの仕組みは次のようになっていますが、この仕組み自体に大きなリスクがあると思われます。

一つ目が、事業として成立しないというリスクです。

上記の図は、一見すると三方良しの仕組みに見えますが、「返礼品を欲しい人が必ずいる」「寄付金の20%以上で返礼品の受領権を販売できる」ことが前提になります。

返礼品を欲しい人はいるとは思いますが、果たし寄付金の20%以上の金額でその権利を買うかどうかは疑問です。

分かりやすく言うと「1万円のふるさと納税で貰える返礼品を2,000円で買いますか?」です。僕だったら普通にECサイトで買うと思います。そのほうが本当に欲しいものが買えるので・・・

そういう点で、大きなリスクを抱えていると言えるでしょう。

【デメリット】仕組み自体がグレーゾーン

このサービスは画期的ではある一方で、ふるさと納税の仕組みのグレーゾーンを上手くついたものだと考えられます。イメージだと、パチンコの三店方式に近いものがあります。

そもそも、ふるさと納税の返礼品は、寄付をしてくれた御礼として自治体が寄附者に送るもので、金銭的な価値があるものとして渡すものではありません。(なのでフリマアプリで売るのも良くないです)

さらに言ってしまえば、自治体がキャッシュふると裏で連携することで、返礼品を発送することなく税収だけを増やすことができてしまいます。

例として、100万円分を納税する場合のお金の流れを考えてみます。

▼自治体

①税収 +100万円
②返礼品 -30万円 ※この権利をキャッシュふるが預かる
③キャッシュふるへの手数料 0円

▼納税者

①ふるさと納税 -100万円
②税金の還元 +◯◯万円
③キャッシュふるからの現金 +20万円

▼キャッシュふる

①返礼品の受領権販売額 +◯◯万円
②納税者への支払い -20万円

つまり、自治体が30万円分の返礼品を送ることにして、キャッシュふるが受領権を30万円で販売、自治体が受領権を30万円で買い戻せば、実際の返礼品を発送することなく完結します。

なんかきな臭い雰囲気がしますよね。自治体と税金が絡んでいる話なので、さすがにここまでのことをするのは無理だと思いますが、いくらでもやりようがあるという点で、リスクが大きいのです。

「キャッシュふる」の使い方

「キャッシュふる」の使い方については、次の通りです。

① Webサイト(https://cashfuru.com/)に行きLINE登録する

② 公式LINE上のメニュー「申し込む」より募集中の自治体に申し込む
 紹介コード「BR5Y2NKE」を使うと、寄付金の1%にあたるお金が還元されます。

③ 寄付金を入金する

④ 還元分の現金を受け取る

— ここからは通常のふるさと納税と同じ —

⑤寄付証明書を受領する

⑥ 確定申告時に控除申請する

スマホ一つで完結できるので、手続き自体は簡単です。

ただし、現時点で寄付できる自治体が無いので、新しく募集を開始するのを待つしか無いのが現状です。気になる人はLINEに登録だけして待っておくのが良いでしょう。

「キャッシュふる」まとめ

この記事では、ここまでに次の内容について説明しました。

  • 「キャッシュふる」の概要
  • 「キャッシュふる」のメリット・デメリット
  • 「キャッシュふる」の使い方

寄付する人にとってメリットの大きなサービスである一方で、仕組みのグレーな部分を使ったリスクの大きなサービスでもあるので、本当にサービスとして運用が続けられるのかは正直怪しいです。

個人的には、現金20%還元のメリットよりも、ポイント還元で20%以上の還元率を狙いつつ、返礼品をしっかり貰うほうがいいなぁとは思いますが・・・

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