クラウドファンディングのMakuake(マクアケ)で、海外で販売中のガジェットが”開発中の新商品”として販売される事例が出ているようです。
実害はなさそうに思いますが、「新しい商品を他の人よりも早く手に入れたい」と支援した人からすると、当然「騙された」と思うはずです。価格も市販品より割高なので、なおさらでしょう。
その他にも、Makuake(マクアケ)で販売中のガジェットには海外の格安OEM製品をほんのわずかだけ変え、高い価格で販売していることもあります。あまり気軽に支援すると、損する可能性も十分にあります。
そこで今回は、Makuake(マクアケ)で販売中のガジェットが”海外の既製品・OEM製品かどうかをざっくり調べる方法”と”海外から直接買う方法”について説明したいと思います。
海外製品の既製品やOEM製品かざっくり調べる方法
ガジェットカテゴリー(タグ)の商品を対象にして、それが海外の既製品やOEM製品かを調べる方法について説明していきます。具体的には、次のような特徴がないかをチェックします。
- 日本語が不自然
- 開発工程の写真や説明がない
- 製造工場が中国にある(ことが多い)
- プロジェクト運営者の情報が少ない
これらの条件にすべて当てはまっている場合は、海外ですでに販売されている商品だったり、OEM製品としてパッケージや一部仕様だけを変えている可能性が高いです。具体的な例を挙げて説明していきます。
海外の既製品またはOEM製品だと推察されるケース
実際のプロジェクトから海外製品だと思われる例をピックアップしてみます。他にもたくさんの商品が該当していますが、今回は分かりやすいこちらの商品で説明します。
商品ページを見ると、プロダクトとしてすでに発売しているかのような写真がたくさん掲載されています。もちろん開発工程については触れられていません。
ここから具体的な調べ方になります。
①商品画像の保存
Makuakeの商品ページから、商品の全体像がはっきり見えるような画像を選んで保存します。説明がたくさん重なって書いてある画像は選ばないようにしましょう。
②Alibaba(アリババ)で画像検索
①で保存しておいた画像をECサイト『Alibaba』にアップロードし、その画像を使って似た画像や同じ画像の商品を検索します。
仮に検索対象の商品がOEM製品や海外の既製品である場合は、似たイメージの商品がずらっと表示されます。ここからMakuakeの商品と同じものを選んで詳細を開きます。
③画像や仕様の比較
商品の詳細を開き、スペックや仕様が同じかどうかをチェックします。スペックは商品説明の下部に書かれていることが多いので、下までスクロールして確認します。
偶然にも同じ画像を見つけました。縦横比と日本語・英語表記という違いはありますが、構成しているパーツはほぼ同じです。
また、スペックも比較してみましょう。再生時間やバッテリー容量は同じで、防水防塵の等級がIP68とIPX8で違うのと、Bluetoothバージョンも5.3と5.0で違っています。
Bluetoothバージョン5.3の特徴はLow Energy対応のためバッテリー消費が抑えられること。ですが、連続再生時間は同じまま。どちらかの表記が間違っている可能性がありそうです。
④価格の確認と比較
これでほぼ同じ商品であることが確認できました。となると気になるのは価格です。Makuakeの価格とAlibabaの価格を比べると次のようになります。
- Makuake:6,980円
- Alibaba:1個で25ドル=約2850円
これだけ価格が違うと、「Alibabaから直接購入したほうがお得なのでは?」と思いますよね。AlibabaはBtoBのECサイトなので、どちらかというと業者向け。
個人向けには『Aliexpress』というサイトがあるので、そこから購入することができます。ちなみにAliexpressで探すとLenovoのX5というモデルと一致しました。価格は約3,500円。Makuakeの約半額ですね。
日本のAmazonでも購入できますが、価格は7,980円と高め。やはり直接購入するのが最もお得なようです。
まとめ
この記事ではここまでに、Alibabaの情報と画像検索を使った「Makuakeの新商品が海外製品の既製品やOEM製品かざっくり調べる方法」について説明してきました。
繰り返しにはなりますが、Makuakeで欲しいなと思った商品が海外の既製品やOEM製品の場合は、海外ECサイトから直接買うことをおすすめします。物によっては半額以下で購入できることもあります。
クラウドファンディングは、今までにない商品だったり、世の中を変える新しいものの開発を支援するプラットフォームであることが望ましいと僕は考えています。
もちろん利用規約に沿ってプロジェクトを立ち上げる上では、どのような内容でも問題ではありませんが、今回のようにただ日本に持ってきて高値で売るといったものはあまり好ましくないなと思います。
今後、クラウンドファンディングのあり方が改めて問われ、審査も厳しくなっていくとは思いますが、それまでは適正な価格のものを、適正な価格で買うように気をつけていきたいところです。
ということで、少しでも参考にしてもらえたら嬉しいです。
↓Makuakeで6億円以上を集めたHONBIKEという電動自転車。できることなら、こういうワクワクする商品開発プロジェクトがたくさん増えるといいですよね。